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ふるがる

偏在的放棄性脱力癖を誘発する二次創作ブログ

2021/10/16

DAHUFAのこともうちょっと語る

日がな一日DAHUFAのことばかり考えるようになってしまい、頭がおかしくなりそうです。もうおかしくなっているのかもしれない。こうなったら考えてることを気が済むまで書き出していくしかない。というわけで語ります。いっくよー。

オープニングのここの絵好き好き侍。
先週ブログ記事をアップしてから8回見たんですけど、何回見てもワクワクする映画ですね……!円盤化希望。実現するまで言う。
何度も見てると流石に話の不十分な点(最初に皇太子と洞穴ではぐれた時、洞穴から出て外で皇太子を探す流れはやっぱり不自然だなとか、豆人間が夜寝てるときの管は結局何してたの?とか、空の巨大豆の母と地上の蟻猿の巣との繋がりがよくわからないとか、羅丹に一回目撃たれたときの傷はどうなった?とか、ダフファーが付け髭つけるくだりにかわいい以外の意味が見いだせないとか)(最後のはかわいいからまあいいか……)が目につきますが、アクションが本当に何度見ても見飽きないです。特に洞穴から降りるときのフェイントはいつ見ても百点満点をあげたくなります。(誰目線?)
終盤で展開に勢いがついて次々にみんな死ぬくだりが一番大好きで、あそこはいつも悪趣味な笑みを浮かべながら見てしまいます。シェイクスピア悲劇のみんな死ぬくだりと同じ後味がある。それでいてエンディングは切なくかつ爽やかに締める監督の手腕、本当に尊敬する……。

羅丹と彩のこと。二人のこと何も分からないけど、彩がえっちなおねえさんだってことだけはわかるよ。(最低)
前回の記事で、羅丹は吉安の暗殺を阻止したんじゃないかって書いたんですけど、あれ、普通に殺したかったから殺したってだけのほうが羅丹らしい気がしてきましたね。吉安にも仕事しない奴って認識されてたっぽいし……。いや、確かに吉安は思い通りにならなかったら誰でも彼でもすぐ役立たず認定しますけど、終盤まで忠実にやってたマオには比較的人当たり良さそうでしたよね。そういう様子を見ると、序盤から怒鳴り散らされてた羅丹は、普段からあんまり言うこと聞いてなかったんじゃないでしょうか。
それか、あれやったの俺じゃねーよ的な意思表示だったりとかしますかね。もしそうだったら、喋らずに殺しでコミュニケーションとろうとするの怖すぎません?そしてそれを汲み取れる彩姐さんマジパネェっすわ。しかも羅丹、誰でも殺すくせに彩に止められたらやめるし彩だけは殺さなかったりしますよね。素性も関係性も何もわからない寡黙な2人の間に確実に愛のようなものがあるの、なんなんだろうな……。
あと、序盤で彩が風呂入ってるシーンで、羅丹が蝶の片割れが鳥にさらわれるところを眺めていた描写と、エンディング後に羅丹の死体に蝶が止まっている描写はつながりますね。蝶の色が同じですし。序盤のあれは、二人が死に別れることを先に暗示していたんですね。切ない。

そうそう。エンディング後の彩が何やってたか問題。いやまじであれ何……?(困惑)
バラバラになった羅丹のパーツを彩が集めて、ぐちゃぐちゃってやって何かを取り出して、緑色に光って、それで暗転。何……?何したの今……?
生き返らせようとしてたんじゃないかって感想をどこかで見かけましたが、私はそれはないと思うんですよね。だって彩、死地に向かう恋人(情人って恋人って意味で合ってる?)に「あなたが行ってしまうなら私は生きる理由がない、殺して」なんて言ってたんですよ。もし自分で生き返らせられるなら、そんなこと言わなくないですか?愛を試すための発言と捉えられないこともないですが、それを匂わす描写も特になかったですよね。だから蘇生系の行動じゃないとは思ってたんですが……じゃあ何なのって言われると……マジでわからん……。
続編で語られるのかとも思ったんですけど、続編「妙先生」のトレーラーとか見る限り、DAHUFAのキャラは出てなさそうなんですよね。作画が格段に良くなってるので、予算いっぱい出たのかなー良かったなーとは思いますが、DAHUFAの謎が回収されそうかというと、あまり期待できない気がします。変な地域と変な生き物があちこちにあって不老の存在と魔法があるっていう世界観だけ引き継ぐかんじかな……と妄想しています。
妙先生、日本で見られるのはいつになるんでしょう……。DAHUFAが中国では2017年に公開で、日本では2021年に公開なので、順当に行けば2019年の4年後……?てことは再来年じゃん。日本でも公開されるといいなあ。私は元々字幕派なので吹替は別にあってもなくてもいいですが、それで公開が遅れると困るなあという気持ちです。
あ、字幕派の欠点いっこあった。皇太子とダフファーが口喧嘩するシーン、あれ全部文字にすると目まぐるしくなりすぎるからダイジェスト版にカットしてありますよね。フルバージョンの訳が見たいなあ……。一部聞き取れたところだけ翻訳かけたら、「你疯了吗(nǐ fēng le má)頭おかしくなったんですか?」って言っててマジかよと思いました。目上の者にそんなこと言っちゃう人見たの、完璧超人始祖シルバーマン以来だ。あーでも、守護者と被守護者の関係って主従じゃないのかな?少なくとも、皇太子個人に忠誠を誓うとかいうかんじではなさそうです。

ジャンとミンについて。
空腹の皇太子に野菜の盛り合わせをスッと出せるジャン、何気にすごくね?とふと思いました。だって豆人間って普段は配給される蟻猿を食べてるわけで、その割にジャンはヒトをもてなすのに手慣れすぎている……。なんでか考えたんですけど、ミンってジャンと知り合いでしたよね。喋らないジャンの名前もおそらくはミンが皇太子に教えたでしょうし、二人で一緒に皇太子が山水画描くのを見ていたりしていました。そのあたりのことから、本編前までは、ジャンはミンの従者みたいなこともやっていたのかなと思います。家の中まで付き従うほどではないでしょうが(それはおそらく弟役の役割)、野山で遊ぶときには塀で外の世界を眺めてるジャンをついでに連れて行って、ヒトが食べる果物等もミンが教えて調達させていたのかもしれません。それか、蟻猿を食べることを隠婆が止めてたので、野菜を代替食として採ることにジャンが慣れていたかのどっちか。
もしかして、ヒトに近い立場の豆人間から自我に目覚めやすかったりするんですかね。執行人たちは吉安の命令を聞いたりしますし、ミンの弟は当然のように話せるだけでなく、家の中ならそれが許されてすらいる様子でした。そうでないとあんなに大っぴらに歌ったりしない。
豆人間栽培、ぜんぜん楽じゃなさそうだなあ……。憎悪と愚かさにまみれさせないと上等な黒魔石にならないし、自我に目覚めた奴が増えると革命が起きるし、かなり綱渡りな家業ですね。国家と同じですね(突然のハルシオン・ランチネタ)。
吉安については、物語終盤でマオと会話するシーンが印象に残っています。業務内容さえ考えなければ、あのあたりはまるで普通の社長と意識高い系社員のような雰囲気でしたね。繁忙期に人員の追加を検討してくれるなんてホワイト企業かよ羨ましい……じゃなくて、ああいう普通の人間のような側面が見える会話があると、キャラに対して悪役一辺倒ではない立体的な見方ができるのでいいなあと思います。豆人間たちにひでえことするシステムの中心人物も、結局は人間なのだなあという認識を盛り込んでくるの、現実に対して解像度が高い。

ダフファーの台詞について。
ちょいちょい小難しい表現が出てくるので、あれらはたぶん漢詩とかから引用してるな!よし調べてみよう!と思ったのですが、予告編の台詞「宝剣の峰磨砺より出で〜」について、レファレンス協同データベースさんですら日本語訳の出典を探せていないのを見て、素人には無理だ!はい無理ー!解散!となりました。即落ち2コマばりのスピード感で諦めた。
ところでこのセリフ、本編中で使われてなくないですか……?字幕で訳されてないってだけじゃなくて、音声でも聞き取れなかった。「無鉄砲にもほどがある」の台詞もなかった気がするし、予告編だけのものかな。閑話休題。
あ、でも引用セリフ、一個だけ分かりましたよ。夕日を見ながら号泣してたシーンで呟いた台詞「行色秋將晚、交情老更親」は杜甫の詩らしいです。これは日本語訳見つかった。
リンク:杜甫詳注 杜詩の訳注解説 漢文委員会 : 奉簡高三十五使君 杜甫
調べてるあいだ、あのセリフの元ネタなに???って中国の人も思うのか、検索でちょいちょい百度知道とかが引っかかってくる。本場の人も分からないのか……と思ってちょっとフフッてなった。
あと、夕日のシーンのあとの「俺とは無関係に陽は昇りまた沈む」と、ラストバトルの直前に鋼鉄杖をやっと取り戻して言った「友と再会を喜ぶ 千言万語を胸にしまい」とをまとめて元ネタ教えてくれてるところがあったので、これもリンク貼っておきます。謝謝。
いやぁ、ダフファーのキャラの底知れなさを改めて思い知りましたね……。何十年も生きてるだけある。言葉選びが渋いわあ。
中国だと四書五経を諳んじられるようになってからが知識人としてのスタートラインみたいな扱いだとどっかで聞きましたが、そんな知識人官僚どもの元締めたる皇帝に何代も仕え続ける立場なせいですかね、スラスラと凝った言い回しが出てくるのは。門前の小僧習わぬ経を読む的なやつなのか、従者としていちおう正規の教育を受けたのか、それか案外読書が趣味だったりするのか。公式Twitterのキャラ紹介で「孤独ながらも楽しさを見つけながら生きる」と書かれていたので、なんか趣味あるんだろうなとは思います。その割に本編中で1回も笑ったカットがないのが悲しい。なんなら初っ端からイライラジリジリしとる。
そんなインテリジェンスのあるキャラが言葉荒れるのいいよね……。素の一人称は俺だし、バカ殿下とか言いまくるし、あと「生きてるって感じがするぜ」とか「あのガキどうします?」「ならば国に連れ帰って手なずけましょう」とかのあたりが好きです。手なずけるて。原文のニュアンスは分からないけど、暴力の世界を生き抜く荒っぽさがあらわになる感じが出てて最高です。翻訳の人はいい仕事してるよな……。
そういやミンを連れ帰るってなったとき、腹黒ショタキャラってダフファーと被ってない?大丈夫?ってなりましたね。ミンは年を取るし、政に助言する方と身辺警護に徹するほうとで差別化はできると思いますが、国に帰ったらみんなびっくりするよ。腹黒ショタが増えとる!ってなるよ。
ダフファー、見た目ちょこんとしていて可愛らしいのに、中身は荒事慣れしたインテリ用心棒かあ。うーん、いいキャラしてるわほんと。

ラストシーンの、皇太子とダフファーの会話について。
視聴3回目あたりでちょっと見方変わりました。最初は、ダフファーの正体について答えが出なかったことにだけ注目しちゃってたんですけど、そのせいでダフファーが問いを2つ重ねた意図についてうまく考えられてなかったです。答えが出たわけじゃないけど、とりあえず現時点での考えを書いておきたいです。
あれダフファーは、皇太子の「豆人間とは何だったのか?」という問いに対して、自分の正体を引き合いに出してきて、その上にさらに人間とは?の問いも重ねることで、わからなさの度合で言えば3つとも同程度だと言いたかったんですね。人間とは何か?の答えが分からないのと同じくらい、ダフファー自身も自分のことが分かっていないと言えるけど、もしかしたら逆かもしれないとも思いました。豆人間のルーツについてはダフファーは吉安の館で知っているし、人間についても長い間守護者として見聞きしているわけで、それらについて理解してる程度には自分のこともなんとなく分かってる可能性もある。それでもあえて煙に巻くような言い方をしたのは、深遠すぎる質問に明確な答えが知りたいのか?それの答えはそんなに大事なのか?と暗に示してみたのかなと思います。
自分の正体について濁したことと、羅丹とのラストバトルで話していたことも合わせて考えると、ダフファーが守護者の天命に従う理由もなんとなくわかる気がします。解決しない秘密について負の感情を抱えて、持ち合わせた謎の力を破壊衝動の赴くままに行使することもできるけど、その道の先にあるものがろくなもんじゃないとうっすら察してるのではないでしょうか。それよりはせめてもっと建設的な方向に力を使うべきと思っているのかもしれません。
羅丹とダフファー、ある点では似た者同士だったかもしれないけど、もし腰を据えて話す機会があったとしてもわかり合えないままだった気がする。

どうも長々と駄弁りました。区切りがいいのでこのへんで閉めます。さようなら。

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